Bitter Life

30歳から始めた妊活、不妊治療の記録です。人工授精、体外受精、人工死産、胎盤遺残、その後の妊娠について書いています。

17w1d② 再入院6日目 出産と死産

 ※暗い・生々しい内容も含みます。自己責任でお願いします。

 

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17週1日② 再入院6日目(前回の記事の同日その後)金曜

 

15時に3回目の促進剤を入れようと思ったら、結構進んでいたらしい。
急に人が集まってきた。
いつのまにかその格好も帽子や手術着で「オペが始まる」の雰囲気に。
ここからはもうだいぶ記憶もあいまい。
痛みやすごく尿意もあって「痛い」「おしっこがしたいです」とか、感じたことはこどもみたいにすぐ口に出ていて、余裕もどんどんなくなって。

 

なにかのタイミングでいきんでくださいの指示がきて、休みながら何回かやってみる。
初診前日にかたまりが出たときの、そのさらに何倍も強いような感覚。
赤ちゃんは足から出たようだ。
それでも首でひっかかって頭を出すあともうひと踏ん張りがきかなくて、薬も追加される。

 

16時過ぎ。
「プチャッ」という小さい破裂音みたいな音と、大きさのある温かいものが下から出ていった感覚があった。
「お疲れ様でした」「頑張ったね」って次々声をかけられて、ようやく終わったと思った。
けれど実際には胎盤を出す後処理に、もう少し苦しむ時間があった。

 

だっこしますか?にはいと答え、だっこというより手のひらに乗せる。
思ったより大きいし、ちゃんと人間のかたちをしていた。
すぐ足もそっとめくってみた。
ついてた。
男の子だった。
顔は目、鼻、口もちゃんとわかって、眉毛がはえる毛根のあとのようなもの、爪もある。
触って骨がわかる感触とかちゃんと「人間」で。
鎖骨があって肋骨もわかって、赤く透けた皮膚から臓器も見える。
足のほうは色が悪くなってしまっていたけど、それは出産直前にそうなってしまったものらしい。
バランスを見たら手だけ大きめで、ポーズはあごに手がある「考える人」に近い。
夫にも渡して、鼻のかたちがわたしにそっくりって言ってて、それって低いってことで軽く悪口なんだけど・・・。

 

助産師さんに一度渡して、「身長と体重もはかりますね」って言われたら・・・。

生きて産まれた赤ちゃんと同じように扱ってもらえんだって思って、急激に泣けた。

ごめんね、生きて産んであげられなくて。本当にごめんなさい。

夫も同じタイミングで泣いていた。


130g、足まで伸ばして身長20㎝、頭からお尻までのサイズ感は15㎝くらい。
大変そうだったけど、夫と助産師さんとで手形、足形もとってくれた。
死産でも省略されることはなく、ちゃんとへその緒を入れる木箱やネームバンドももらった。
出産育児一時金も出る。

 

箱に入れてもらって、ボランティアさんが作った白い毛糸の帽子と、おくるみもかぶせてもらう。
帽子はぶかぶかだった。
そういうのブログで聞いたことあるくらいにしか考えていなかったのに、実際に見たら・・・。
ボランティアということは仕事でもないのに、誰かが亡くなった赤ちゃんのために手作りしてくれたもの。
その気持ちが本当にありがたくて嬉しくて、それだけで涙が出そうだった。
後日簡単にお礼の手紙を書いて、病院経由で渡そうと思った。

 

胎盤ももろかったようで、顕微鏡検査に出されるそう。
現状で考えられる原因はいくつかあるけど、不明の場合も多いらしい。
結果論だけど、妊娠継続を希望しても胎盤の問題も出ていたかもしれない。

 

田中医師もまた来てくれた。
顔もちゃんと見てくれて、「可愛い」って言ってくれて。
わたしは社交辞令かと思ってしまったけど、夫はあの顔は本当に可愛いと思ってたよって。
昨日の子宮口を拡げる処置は、夕方は棒を10本入れる予定が5本しか入れられなかったことも伝えられる。
納得の事後報告。
初診の女医さんも来てくれた。
思わず「お久しぶりです。わざわざありがとうございます。覚えていますか?」と話しかけてしまった。

 

軽い尿意があって、あっと思った瞬間に大量にお小水が出た。
ほぼ自分の意識とは無関係に漏らした感じ。
夫と2人のときだったけど、恥ずかしい・・・。
でもその可能性もあるので、お通じのほうじゃなくてよかった・・・。
助産師さんに聞いたら赤ちゃんが膀胱を圧迫するそうで、15時前にトイレに行っていたから導尿をしようか迷ったらしい。(してくれてよかったんですよ・・・!)

 

だんだん寒気がしてきて部屋の温度を上げてもらった。
今度は暑くなってくる。
熱が出ていた。
お腹もまだ陣痛のような痛みの波がある。

 

この後移動する部屋のことを聞かれた。
個室か大部屋か、差額ベッド代は一日2万以上で、2泊3日したらそれだけで7万以上になる。
安くはない。
けれど個室にすることで夫も一緒に泊まれるし、赤ちゃんとも部屋で過ごせる。
この身体の状態とメンタルのなか、他人に気を遣わなくてもいい。
メリットは大きかった。
ここはもうケチるところじゃないと思ったから、個室でお願いした。

 

(母子手帳も書いていただきました)

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