産後54日目 東京に残る決意① マンスリーマンション契約決定
田中医師は「胎盤遺残」ではなく「胎盤ポリープ」という言い方をした。
「似たようなものです」と言ったので、後日自分でも調べた。
胎盤遺残 分娩直後に発症、血流が乏しく血中hCGは高値となることが多い。
胎盤ポリープ 分娩後数週間経って発症、残存した胎盤組織が腫瘤を形成。ポリープ状に増大したもの。強い血流があり血中hCGは低値であることが多い。
【解答・解説】産褥出血の原因は?|実践!画像診断Q&A|羊土社:レジデントノート |実践!画像診断Q&A|羊土社:レジデントノート - 羊土社
死産から2ヶ月弱経っているし、しっかり血流があるのとhCGは順調に下がっているから「胎盤ポリープ」なんだ。
お産翌日の診察では子宮の状態は問題ないと言われたのに、次の診察で指摘されたことにも納得ができた。
(前回の記事の同日その後)
お会計を済ませ、待ち合いの椅子で今後のことを話し合った。
夫はマンスリーマンションを探し、2ヵ月で契約を決めてしまった。
それでも前居住者が退去するまで、あと5日ある。
大変なことになってしまった。
わたしは夫にとって、どこまでも迷惑でお荷物な存在なのではないか、と自己嫌悪にも陥る。
まさか引っ越し先に2週間しか住めず、こんなかたちで東京に戻ってくることになるとは思っていなかった。
とりあえず、大出血がおこらないかビクビクしながらではあるけど、一度引っ越し先に戻ろうか、ということになった。
入院するつもりで荷造りをしてきたので、外出用の服はいま着ている1着だけ。
部屋着だけはやたらと充実している。
化粧ポーチすら持ってこなかった。
車を走らせ、途中夕食をとった。
そこで夫が仕事の上司に電話をしたらしい。
「やっぱり帰るのはやめて、とりあえず今日はビジネスホテルに泊まろう。」
上司との電話の内容を教えてくれた。
「もうそういうリスクがある以上、解決するまで新居の地には戻らないほうがいいんじゃないの?
極端な話、移動中東京とのちょうど中間地点で出血する可能性だってあるんだし、こどもが産めなくなるかどうかのこの先の人生がかかってるよ。
新居の地に戻った先でもし大出血して手術して妊娠できなくなったら、“あのとき戻らなければ”って一生後悔しない?」
確かに、と思ったそうだ。
ここで「引っ越し先に戻る」という考えは捨てた。
田中医師に「もう大出血の心配はありません」と言われるまで、わたしはそれまでは東京から動かない。
一時帰宅するとしても夫のみだ。
ビジネスホテルを探し、とりあえず2泊することを決めた。