Bitter Life

30歳から始めた妊活、不妊治療の記録です。人工授精、体外受精、人工死産、胎盤遺残、その後の妊娠について書いています。

産後52日目 胎盤ポリープ緊急入院① 命に関わる大量出血

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前回の診察から徐々に出血量が増えてきた。
ピークを迎えそれから徐々に減ってきて、量や日数の感覚で例えても、いつもよりすこし少ない生理に近い。
2月にくることはないと言われたのに、「もしかして生理なんじゃ?」と期待してしまってもいて。
次回の診察で聞いてみようと思っていた。

 

新居生活から10日過ぎた祝日。
昼食は自宅で食べるつもりで、その前に夫と車で出かけた。
用事を済ませお店を出て車に戻り、夫が車内で仕事の電話をする。
スマホをいじって待つわたし。
電話が終わって「じゃあ帰ろうか」と言い、座席に座り直したその瞬間だった。

 

バッッッ って下から出た感覚があった。
あ、この感覚は。
懐かしい、とすら思った。
生理じゃない。
絨毛膜下血腫で大量出血したときの勢いだ。
血腫の出血も破水もそうだったけど、腹痛もいっさいない。

 

すぐに車から降りる。

とりあえずお店のトイレに行き、ナプキンをあてに行こうと思った。
けど、この勢いはダメだ。
お店にも迷惑がかかるかも。
おりものシートをつけたショーツ、タイツ、ジーンズの順で履いていたけど、一瞬でジーンズまで染みている。

動いていいのかもわからない。

「出ている」じゃなくてもはや「流れている」のがわかった。

生理がちゃんと閉まっていない蛇口からポタン、ポタンて落ちてくるイメージなら、ゆっくりコップに注いでいるくらいのイメージ。

もうそれくらい違う。 

 

すぐ車に戻って「もう病院に行こう」と。
ずぼらがばれるけどどうせ捨てるときは車だしと、折りたたんだダンボールが乗せてあった。
その上に座った。

 

ここで引っ越してきたばかりとはいえ、「万が一大量出血した場合はどこの病院に行けばいいのか」を調べておかなかったことを後悔した。
しかも今日は祝日。
命に関わる大量出血を怖がったわりには、「もし本当にそうなった場合はどのように動けばいいか」までは考えていなかった。
言い訳にしか聞こえないかもしれないけど、あえて考えないようにしていたかもしれない。
と同時に「たぶん大丈夫だろう」「経過観察って言ってもらったし信じたい」と考えてもいて。

 

急に大きい地震があったときにも似ている。

「南海トラフ地震だって、未曽有の大災害になるとは言われているけどいつ起こるかわからない。起こらないかもしれない。とりあえずいまは大丈夫。」に近い感覚。
突然災害が起こったときためにパニックにならないように避難訓練が必要で、自分はそれを怠ってしまっていた。
同じくらいのことがいま起こっている。
ポジティブに考えることと、過小評価してしまう正常性バイアスは違う。

 

夫がスマホで調べ、カーナビ頼りに病院にむかった。
その途中、「救命救急センター」という看板が見えた。
変更してそちらにむかう。
車を停め夫だけがなかに入り、車内に一人になるわたし。


一分一秒が長く感じられる。
いまどのくらい出血しているんだろう。
相変わらず痛みもないし、わからない。
命に関わる大量出血という言葉がよぎる。
救急車を呼んだほうがよかったのかな。
気が動転していて何番にかければいいのかすら出てこない。

 

夫が戻ってきた。
ここは時間外でも対応しているこども用の救急センター、小児科しかないらしい。
近くの祝日でも対応している産婦人科のクリニックを教えてくれた。
事前に連絡もしてくれたそう。

 

再び車を走らせる。