Bitter Life

30歳から始めた妊活、不妊治療の記録です。人工授精、体外受精、人工死産、胎盤遺残、その後の妊娠について書いています。

16w4d 再入院2日目 宣告

※暗い内容も含みますのでご注意ください。

 

16週4日 再入院2日目 月曜 

 

朝食を食べているときに、初めての小柄のおじさんドクターが挨拶にくる。
あとで確認したら部長だった。
ここでも「破水しても助かった症例も報告されてるので・・・」っていうなぐさめの言葉をもらったけど、破水という単語でスイッチが入ってしまった。朝から泣く。
「田中医師(仮)は昨日休みで、今日は夜勤なので」とも教えてもらった。
早くいつもの田中医師と話したい・・・。
もう一人20代かなという若い男性の医師も担当医だけど、どちらかというと処置だけ担当という感じ。

 

診察に呼ばれて車椅子での移動。
産科病棟なんだから当然なんだけど、お腹の大きい人や赤ちゃんも視界に入る。
傷つくような風景を通り過ぎるのが地味に辛い。
男性担当医には会えて、膣洗浄などの診察を受ける。
先ほどの部長もそうだけど、男性医師のほうがソフトな言い方するなと思った。
もし昨日診てくれたのが男性だったら「助からない」とは言わなかったかもしれない。
基本男性は女性には優しい。
女性医師のほうが容赦ない言い方。
それが悪いって言ってるんじゃなくて人間相手の仕事だし、伝え方・受け取り方は人それぞれ。
でも事実ならはっきり伝えてほしい、期待させないでほしいときもある。

 

足湯も入った。
綺麗になって嬉しいというより、足だけでも気持ち良くてほんの少し癒される。

 

2日後に予約になっていたクリニックにも、キャンセルの電話をする。
破水して妊娠継続は厳しいと言われたことも伝え、震える声でまたお世話になると思いますとも言った。
「お辛いときにわざわざご連絡ありがとうございます」と返ってきた。
ここで例えば「今週は混みあってるので来週の予約を」じゃなくて、退院した先週中に一度診察してもらえてたら、なにか異常に気付いてもらえて破水しなかったのかな、とも想像してしまった。
「たられば」考えてしまっても、起こってしまったことはもう変えられない。
それでもやっぱりどうしてもなにが原因なのか、なにか違ってたら破水しなかったのかと考えてしまう。

 

同じくこの週数くらいで破水して、流産になってしまった人のブログも読んだ。
あえて自分からスイッチを入れにいって、また泣いてしまった状態・・・。

 

夜になってようやく、夜勤の田中医師が部屋に来てくれた。
また泣きながら昨日のことを話して、「ほぼ助からない」って言われたんですけど田中先生もそう思いますか?と聞いた。
そこで改めて・・・。

 

仮に妊娠が継続できて22週の早産で産まれてこれたとしても、生まれた瞬間に赤ちゃんは一人の人間として生かすという医療行為が始まる。
けれど破水して羊水が減ってしまったので、これからの週数で育っていくはずだった肺の機能が育たないので、自力で呼吸できない可能性が非常に高い。
最悪の場合は脳にも障害がある。
それは生まれてこれたとしても、赤ちゃんにとって幸せなのかどうなのか。

 

あと起こりえるリスクとして、破水してしまったことで可能性が高まってしまった細菌感染。
その場合赤ちゃんが感染源だから子宮は出そう出そうとする反応があるし、母体であるわたしもあぶなくなるので守るために病院は処置をする。
そんなドラマみたいなセリフ、現実で聞くことになるなんて。

 

明後日、血液検査をして炎症反応があるか確認して、あればお産で話が進んでいく。
昨日「流産の手術」という言い方だったから、てっきり採卵のように麻酔をかけて寝ているあいだに終わってしまう手術だと思っていたのに。
陣痛促進剤を使っての出産になると言われ、それすら叶わないんだな・・・。
あぁ、どおりで「分娩準備室」。
手術というより、イメージ的には死産に近いことを察した。

(時期で区別すると妊娠12週以降22週未満が「後期流産」、妊娠22週以降が「死産」)
火葬や死産届もいるはず。
夫も含めての話し合いをしましょうと提案された。

 

提案の日程の調整と田中医師の話をもう一度伝えるために、夫にもそのあと電話した。
話していくうちに気持ちが高ぶってしまって、
「こんなことになってしまってごめん、ごめん・・・」と泣きながら謝った。
「ゆうなのせいじゃない。短い間だったけど親になる気持ちをそのこに教えてもらったし、忘れることはないし、性別もわからないけど名前もつけてあげよう。」
泣いてる。あの夫が。
わたしと違って冷静で落ち着いていて、取り乱したりしない人なのに。
この場では言わなかったけど、未来があるから名前をつけるわけで、逆に名前をつけたほうがわたしはかわいそうだし辛くなると思った。
人の価値観や感覚の問題で、これが正解というのはないことだけど・・・。

 

初期の流産なら染色体異常で赤ちゃん側の原因で、生まれてこれる状態ではなかったんだって思えそうだけど、血腫があって破水となると、、、
どうしても母体である自分のせいで生まれてこれなかったのでは?と、自分を責める気持ちと大きな不安。
もしまた妊娠できたとしたとしても、同じことが起こるんじゃないのか・・・。

 

ようやく寝てみるけど、田中医師に説明されたことがぐるぐるしてしまっている。
まだ気持ちの整理も出来なくて、寝つきも悪くて3時間くらいしか眠れなかった。