Bitter Life

30歳から始めた妊活、不妊治療の記録です。人工授精、体外受精、人工死産、胎盤遺残、その後の妊娠について書いています。

16w6d 再入院4日目 命の選択

 ※暗い内容も含みますのでご注意ください。

 

16週6日 再入院4日目 水曜

 

朝一番で採血。
これで炎症反応があれば、どうするかも選べずにお産の話で進んでいく。
なかったとしても、この生活が延びていくだけな気もしたけど。

 

朝食後に男性担当医による膣洗浄と診察。
赤ちゃんもまだ生きていた。
羊水が減ってしまっても、即亡くなるというわけではないらしい。
血液検査の結果、炎症反応は出ていないことがわかった。

 

診察室から病室に車椅子で戻るときに、進行方向から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。
看護師さんが「ちょっと窓の外の景色を見てお散歩してから戻りますか?」と聞いてきて、「そうですね、お願いします」と返した。

逆方向に進み、遠回りして病室へ戻ることに。
前回入院時は階も高かったからすごく景色が良かったけれど、いまの部屋からは中庭と向かいのマンションが見えるくらい。
気晴らしになったけど、たまたまなのかな、それとも気を遣ってそう言ってくれたのかなって気になってしまった。

 

夕方から、調整してもらっていた夫を含めての田中医師と話し合い。
思い残すことがないように、遠慮なくささいな疑問くらいでも、心残りがないように質問した。
もう一度状況の確認やリスクの説明。
特にリスクの可能性はきちんと教えてくれる。
でも医師は「こうしたほうがいい」という言い方はしない。
最終的に決めるのは自分たち。

 

選択肢は2つ。
1つは障害や致命的にダメな状況になる可能性も覚悟して、妊娠継続を望むのか。
里帰り出産なんて無理、わたしは出産まで退院できないし、ゆうなさんにとっても辛い入院期間になると思いますとそこはハッキリと。
やはり思っていた通りでこの週数で破水しても生きている赤ちゃんを産めた人は存在するけど、全国規模で症例が報告されたレベル、健康かどうかも別問題とも言われた。

 

もう1つは今回の妊娠は諦めて処置を受ける。
子宮口を拡げる処置に一日、出産に一日かかる。

緊急の場合はもちろんおこなうけど、スタッフの数の関係で土日にはかぶらないようにがおすすめらしい。

 

破水前の羊水量を10とすると、破水して1、昨日の診察で増えたと言っても1.5~2ということもわかった。
まだ5とか6あるならまだしも・・・。


退院して5日で血腫も大きくなって破水したことがやっぱりひっかかっていたから、そこも聞いてみた。
けれど退院が原因ではない、菌もいた状態だったしきっと膜が弱っていて、退院しなかったとしても破水していただろう。
血腫も大きくなったという当日の診察も、昨日の診察ではまた5㎝程度だった。
液体状のものを測っているわけだしエコーでの見え方、測り方の問題だったのかも。
事実1ヶ月の入院期間中の診察でも、極端に大きくなった印象はなかったそう。

 

万が一羊水量が増えてきたとしても、すでにどこか穴があいてしまっているならまた漏れ出して増えないのでは?とも聞いた。
それが小さければ自然に塞がる可能性もある、要するに風船状態のものを針で刺せば破裂するのと同じ。

 

子宮頸管についても、無力症の説はキッパリ否定された。
次の妊娠にそなえてのなにか処置も必要ないそう。
クリニックで無力症の疑いと言われたことが強すぎて、正直ずっと気になっていた。

 

絨毛膜下血腫も全妊婦に平等にかかるリスクがある。
一度かかってしまったから次もなりやすいわけではない。
初診時に「体外受精の人はなりやすい」と言われたのも、初診対応してもらった女医さんはHPに経歴がズラッと書いてあるような大ベテランの医師。
きっと何十年と多くの症例や患者を診てきただろうから「そのうちで体外で多かった」という意味なのかなと考えた。

 

きっと医師もお忙しい中、1時間も付き合ってもらった。
先生は戻って、夫と二人だけの空間になった。
夫の仕事の都合で立ち会えるタイミングや土日を避けることを考えても、明日処置してもらって明後日出産にするのがベストだ。
田中医師がいる平日に処置やお産にできる。
もうこんなにもこうしたほうがいいって答えは出てるのに、言葉が出ないことがあるなんて。
まだ赤ちゃんは生きているのに「殺してください」って言うみたいで・・・。
どうしても「明日処置をお願いします」とスタッフに言うことがわたしはできなかった。
二人でちゃんと話し合って、また声あげて泣いたりして、「おれも辛いんだよ」ってまた夫の涙も見たりして。

 

最終的に、夫がナースステーションで言ってくれた。
いっそのこと一発アウトな子宮内感染か、お腹の中で亡くなってしまうか、陣痛が始まればいいのにとすら思った。
決定打がなかったことで逆にズルズル悩むことにもなって。
選択肢があったことで逆に苦しんだ。
なんで他の人がきっと悩みもしないところで、こんなにも悩んでいるんだろうとも考えた。
けど、他の人はきっとそのぶん違うことで悩んでいるよとも言われ、その言葉に救われた。

 

「トツキトオカのアプリも開けなくなってしまった」と夫。
いまこういうアプリがあるんだよってわたしが教えて共有させた。
結構開いてくれていたようで、こういうポーズが可愛かったとか、何週になるとこうなるねって載ってたねとかよく話したし、メッセージカードを送りあったりもしていた。

 

夫も帰ってまた一人の空間。
また針でちくちく刺すような下腹部の痛みが気になった。